CULTURE · 2026.05.08

侘び寂び——不完全の経済学。

欠けた茶碗が完璧な茶碗より高い値を持つ。日本美学が世界に与えた、価値の転倒。

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侘び寂びは禅と茶の湯から立ち上がった美学で、不均一、未完、経年を価値の中心に据える。これは20世紀以降の「完全性=高価値」の市場原理に対する、最も古い反論である。

金継ぎは欠けを隠さず、金で強調する。傷の歴史が、もとの器の価値を上回ることすらある。コレクターは、ここで物の値段の前提を組み替えている。

INSTINCT RAS が若い作家の試行錯誤を歓迎するのは、この美学に近い。完成された絵だけでなく、未完の線にも値段を付けたい。

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